税務調査が入りやすい個人事業主の特徴とは?今からできる対策を解説
この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?
- 「もし税務調査が来たらどうすればいい?」
- 「税務調査が来ないために今からできる対策は?」
結論から言いますと、しっかりとした申告をしている個人事業主であればそれほど心配する必要はありません。
本記事では、以下の内容を解説していきます。
- 税務調査されやすい個人事業主の特徴
- 個人事業主が税理士に相談するメリット
- 税務調査に入られないために個人事業主ができる対策
税務調査が来ないか不安な個人事業主の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
そもそも個人事業主に税務調査は入るのか?
そもそも税務調査される個人事業主はどれくらいいるのでしょうか?
令和5年11月に国税庁が発表した「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」では、所得税の税務調査は4万6千件、消費税の調査は2万5千件でした。
令和2年に内閣官房庁で発表した「フリーランスの実態調査」では、現在日本にいる本業・複業合わせてのフリーランスの人口が462万人となっており、税務調査される確立としてはかなり低確率と言えます。
しかし、税務調査自体は申告の内容が疑わしい個人事業主に対して行われるものであり、一概に税務調査の対象にならないとは言い切れない部分もあるでしょう。
例え「自分には疑わしい部分が無い」と思っている方でも、個人で会計をしている方なら「絶対大丈夫」とは言えないのが現状です。では、実際どのような方が税務調査されやすいのでしょうか?
税務調査されやすい個人事業主の特徴10選
「個人事業主が税務調査される確率は低い」というお話はしましたが、それはあくまで確率の話です。この章では、どのような個人事業主が税務調査されやすいのか、一般的に言われている特徴を紹介します。
①無申告の個人事業主
無申告の事業主が存在する場合、適正に申告している事業主と比べて強い不公平感をもたらすこととなるため、税務当局は厳正に税務調査の対象としてリストアップします。
事業主が適切に帳簿を記帳しているか、所得を故意に申告せずにいるのではないかなど、法令に則って税務調査されるのです。
②経費が多すぎる個人事業主
収入や同業種と比べて高額な経費を申告した場合、その正当性が疑われることがあります。
特に、事業に直接関係のない経費が高額である場合は注意が必要です。
③現金商売を営む個人事業主
現金取引が多く、領収書や記録が不十分である場合、税務当局が調査を行う可能性が高まります。
キャッシュ取引はリアルタイムで記録されるものが無いため、記録が不透明になりがちです。
そのため調査の対象になる可能性があります。
④収入と支出の関係性が不透明の個人事業主
収入と支出の関連性が不透明であったり、実際の生活水準に対して事業の規模や報告された所得が著しく異なる場合、税務当局が注意を引く可能性があります。
⑤同業者との比較して不自然な利益率で申告している個人事業主
同業他社と比較して、著しく低い利益率で申告している場合、不正の可能性を疑われやすいです。
この場合、報告された収入や経費が正確であるかを証明する必要があります。
⑥継続的な損失を計上している個人事業主
長期間にわたり損失が続いている場合、税務当局はその事業で生活できているのかを疑い調査対象に選んでいます。
⑦異常な申告パターンで申告している個人事業主
例えば、前年度と比較して急激に支出が増加した場合や、逆に急激な収入の減少が見られる場合、税務当局はなぜ急変動したのかを考え、確認が必要と判断すると税務調査の対象に選ぶのです。
⑧非常に複雑な取引構造の業務をしている個人事業主
取引が非常に複雑で理解しづらい場合、税務当局は調査の対象になる可能性があります。透明性が欠如していると判断できる申告内容は、どこかで脱税をしているのではないかと疑われる原因です。
具体的には、いくつもの銀行口座を介した取引だったり、通常の取引では銀行振り込みである中で現金での取引が散見されるような場合に、税務当局は脱税やマネーロンダリングを疑います。
⑨取引先との関係の不透明さがある個人事業主
取引先との関係が不透明であったり、関連会社との取引が不正確である場合、取引の経過で何か疑わしい事実があるのではないかと疑念を抱かれます。
そのため税務調査が行われる可能性が高まるでしょう。
⑩顧問税理士がいない個人事業主
顧問契約を結んでいる税理士がいない場合、税務に関して素人である個人事業主自身の申告に対して疑いを持つ場合があります。
申告自体に正確性の担保が無いため税務当局は注意をする可能性があるのです。
税務調査に入られないために個人事業主ができる5つの対策
税務調査されやすい個人事業主の特徴がわかったところで、税務調査に入られないようにするための方法を知りたいですよね。
ここでは個人事業主ができる5つの対策を紹介していきます。
①必ず確定申告をする
事業をしているのなら、無申告はそもそも許されません。
規定の期日に間に合うように確定申告をするのが個人事業主としての義務であり、仮に期日に間に合わなかったとしても、多少のペナルティはあるものの自主的に申告する場合は、無申告調査として税務調査を受けるよりも罰則は軽くなります。
②日々の記帳を行う
毎日の記帳は確かに面倒です。
しかし、日々取引がある事業の場合は毎日の記帳が申告時の確かな信頼となり得ます。
記帳するタイミングを習慣づけることで、書き漏れを防ぎましょう。
③透明性の維持
取引先との関係や事業の運営に関する情報は透明性を維持しましょう。不透明な取引や企業活動は税務当局の疑念を引く可能性があります。
個人事業主であっても、事業としての付き合いを持つわけですから、仮に知り合いとの取引であったとしても公の場での会談・会食が望ましいです。入出金情報も、履歴が残る方法を用いることで事業としてのやり取りを証明できます。
④適切な経費の計上
経費を正確に計上し、事業との関連性があることを確認しましょう。
不正確な経費の計上や私的な支出を事業経費として計上することは避けるのが無難です。
⑤税理士に相談する
税務調査に入られないためには税理士に相談するのが最適です。
どのような方法で申告するのが一番良いのかなどプロ目線で最適な回答を得られます。
個人事業主が税理士に相談する5つのメリット
個人事業主が税理士に相談した場合に得られるのは一体なんでしょうか?
ここでは相談することによって得られる5つのメリットを紹介します。
①税務調査に入られにくくなる
税理士は適切な帳簿管理をサポートし、クライアントの事業取引を正確かつ詳細に記録するのが仕事です。
正確な帳簿は税務申告書の基盤であり、これが整っていることで誤解や誤りを避け、税務当局の信頼を得やすくなるのがメリットです。結果、税務調査に入られにくくなります。
②税務調査時に対応してくれる
税理士は税務のプロです。記帳や申告は税理士が作業をしているほか、仮に税務調査が来た場合は税理士が対応します。
そのため個人事業主は税務署の対応をすることなく安心できるでしょう。
③本業に集中できるようになる
日々の記帳や申告は思った以上に大変な作業です。
税理士に税務の全てを担当してもらえば、個人事業主はその分本業に集中できるようになります。
④正しく申告できるようになる
税理士が正しく記帳し、しっかりと申告してくれるため税制に則った間違いの無い申告をしてくれます。
有資格者である税理士が申告し、正当性も担保されるため確実な申告ができるでしょう。
⑤法人化について相談できる
事業が軌道に乗ってきた場合など、収益がある程度安定してきた時には税理士に相談ができます。
税理士は、事業でどの程度の収益があるのか、その収益でなら法人化したほうが良いなど税務のプロだからこそ言える的確なアドバイスをしてくれます。
個人事業主向けの税理士の選び方
いざ税理士を選ぼうと考えた時、どこでどう探すのが正解なのかわからない。また、自分に合う税理士がいるのかどうかも疑問のひとつです。
一般的に個人事業主はどのような方法で税理士を選んでいるのかをみていきましょう。
①地域の税理士を探す
地域の税理士の場合、直接会って相談ができるなどメリットも多いでしょう。
②知人に紹介してもらう
知人が利用している税理士を紹介してもらう場合もあります。
すでに知人が利用しているため
- どのような税理士なのか
- どこまでお任せできるのか
- どのような料金体系か
など、知人から情報をもらう事ができるのです。
税理士にとっても顧客が顧客を紹介してくれた形となるため、お互いが安心できます。
まとめ
税務調査は、基本的に申告や業務などに疑わしい点があると判断されたため行なわれます。
もちろん正しい申告をしていても税務調査を受けることもあるでしょう。
もし、記帳や申告に不安があるのなら、税理士に相談することで悩みが解決する可能性があります。