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税務調査の時効は最大何年?さかのぼる年数が決まる要因を解説

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この記事の監修

税理士:中瀬 渉(なかせ わたる)

元国税局特調班チーフで、7年間特別調査を指揮し、計24年間税務調査に従事した経験を持つ税理士。 深い専門知識と実績を活かし、税務調査に特化したセカンドオピニオンサービスを提供しています。

この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?


事業者が帳簿を残しておかなければならない年数というのは、この税務調査のさかのぼる年数と同じです。

しかし、最長でさかのぼれる年数がわかったからといって、実際に税務調査でさかのぼれる期間についてもしっかりと理解しておかないと痛い思いをするかもしれません。

本記事では、以下の内容を解説していきます。

税務調査が来たら困りそうだとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

税務調査の対象となる理由

税務調査は、申告された内容に疑わしい内容がある場合や、過去の申告時にあった申告漏れの状況、税務署がもっている情報によって選出された場合などに調査対象とされます。

それぞれのより詳しい理由について見ていきましょう。

①申告内容が疑わしいと判断された


また、一部の経費が急増しているなど、不審と思われる申告が確認された場合も、調査すべきだと考えられるでしょう。

売上の減少も、事業不振による減少だと判断されれば税務調査の対象にはされづらいですが、意図的に売上を計上していないと判断されるような減少の仕方の場合、疑いの目は向けられるでしょう。

②過去に税務調査で問題があった

過去に税務調査が来た際に申告漏れが発覚した事業者は、前回の申告漏れが正しく処理されているか確認するために、再度、調査される可能性が高いと考えて良いでしょう。

前回の申告漏れが正しく処理されたとしても、経理の状況が改善されていなければ、また、違った申告漏れがあるかもしれないと判断されるため、繰り返し、定期的な税務調査が行われる傾向にあります。

③不正が多発している業種であった

自身の申告内容には過去を振り返っても問題がなかった場合でも、同業種に申告漏れや脱税が多い場合は税務調査の対象として判断されやすくなります。

国税庁の過去の発表では、以下の業種が特に不正が多い傾向にあります。

同業種の場合、ことを覚えておきましょう。

【結論】税務調査に時効はあるのか?

結果からお伝えすると「税務調査には時効がある」のです。

だからと言って、小さな不正を繰り返しても大丈夫という考えはやめておきましょう。

まず、税務調査が行われる期間について覚えておきましょう。

通常の税務調査は3年前まで遡る

一般的に最初は過去3年分の税務状況を調査されます。
この中で問題が発覚しなければ調査終了となるケースが多いです。

ただし、この場合でも3年より前の申告漏れにはまだ時効が成立しません。
それは、国税通則法第七二条に以下のような条文があるからです。

つまり、のです。

法律上は5年前までさかのぼって調査できる

国税通則法第七十条に以下のような条文があります。

以上のことから、税務調査は最初は3年分を調査して、のです。

5年前までさかのぼって調査した結果、問題がなければ調査終了となり、もし申告漏れがあれば過少申告課税を課されます。

事後対処にも問題がない場合、調査期間以前の問題は不問とされ時効が成立します。

不正が確認できた場合7年前までさかのぼって調査される

一般的には、過去5年分を調査して問題が確認されなければ、取りこぼした問題については時効として処理されます。

不正や脱税は「仮装」や「隠ぺい」によるものであるため、通常の調査では発覚しにくいものであることや、より厳しい罰則を課す必要があると考えられていることから、更に時効が2年長く設定されています。
そのため、過去7年間まで調査範囲を広げ、過去の不正に対し、過少申告加算税よりも更に厳しい重加算税を課すことで今後の不正を抑止しているのです。

法人の場合、ある一定のケースにおいては、法律上は最長10年さかのぼることはできますが、個人の税務調査と同じように、実務的には、大きな問題がなければ3年、過去からの誤りがあれば5年、脱税行為があれば、7年さかのぼられることが一般的です。

税務調査の調査対象期間はどのように決まる?

税務調査の対象に選ばれた際、事業者ごとに調査対象となる期間は一般的には3年ですが、最初から5年とされる場合や調査の途中で5年になることもあり、異なります。

どのように年数を判断しているのでしょう?

①過去に脱税行為の疑いはないか

調査対象期間は一般的に3年とされています。
ただし、当局が過去に申告誤りがあるとの情報を事前に持っている場合はこの限りではありません。

と考えてください。

②過去の申告内容に大きな誤りはないか

調査の途中で申告で大きな誤り・ミスが見つかった場合で過去4年以前にも同じ誤りがある可能性があると判断された場合は、調査期間は過去5年分になります。

③そもそも申告をしているか

確定申告をしていない事業者は、税務調査の対象となった時点で過去5年分の調査が必要と判断されます。

更に申告する必要があるとわかっていたのに意図的に申告していなかったと判断された場合、調査期間は過去7年まで拡大され、徹底的な調査が入ります。
もし7年より前に事業を営んでいた場合は、税務調査としては時効と判断されます。

税務調査に向けての準備

税務調査は「最大7年」までさかのぼって調査可能です。
そのため「多くの年数をさかのぼられないため=大きなペナルティを受けないため」に、事業者はどのような準備をしておくべきか考えましょう。

①正確な帳簿管理と申告を行う


全く帳簿や書類が残っていない場合は、今の売上などから過去の売上を推計されたり、同規模同業種の割合で所得が認定されて、実際よりも高額な税額を負担することとなってしまいます。

また、帳簿や書類を意図的に捨てたと判断された場合には、隠ぺい行為として重加算税が課され、税務調査の対象となった際に調査期間が7年に延びてしまうこともあるのです。

②税関連の書類を保存する

税関連の書類は「原則7年保管」が義務付けられています。

税務調査を受けた場合に、すぐに情報を開示できるためという理由以外にも、正しく保管してあれば、事業者自身で情報を管理することで改ざん資料を渡されるリスクを排除できるのです。

③税理士に相談する

個人や自社での申告は、全ての責任が自身に発生します。

税理士に依頼することで、申告ミスや不正発生のない事業者として税務署にも把握してもらえます。

税務調査の対象になったとしても、税理士が関与している事業者だというだけで対応がスムーズになりますよ。

まとめ

税務調査の時効は、法律的には「5年」と定められています。
しかし、不正や脱税が発覚した場合、時効期間は「7年」まで引き延ばされることを覚えておきましょう。

税関係のスペシャリストが、あなたの安全な経営の手助けになるはずです。

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