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重加算税が払えない場合どうなる!?今からできる対処法を解説

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この記事の監修

正しく確定申告をしなかったことで、罰則として「重加算税」を課されてしまった場合、事業者はその指示に従わなければなりません。税務をおろそかにすると、税務調査によって手痛い過料が発生することを理解しておきましょう。

そして、重加算税が支払えない場合、どんな罰則があるかも併せて理解してください。

この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?

結論から言いますと、重加算税を支払わずにいると、最悪の場合「刑事罰として懲役刑もしくは1,000万円以下の罰金刑またはその併科」に処されることもあります。

本記事では、以下の内容を解説していきます。

「重加算税を課される可能性がある」または「すでに課されているが納付・納税したくない」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

重加算税の概要

まず、重加算税が課される仕組みについて理解しましょう。どんな状況で重加算税が課されるのかを理解することで、過料されることを事前に防ぐ重要性を知ってください。

重加算税の課税条件

重加算税が課されるのは「意図的に所得や売上を隠蔽・仮装する」ことが課税の最も大きな要因です。

経理上のミスや事務の遅れによって申告が遅れただけでは、重加算税が課されることはありません。あくまでも、「意図的に隠蔽・仮装」することで、悪意を持って納税額を圧縮する行為に対して重加算税という形で罰則が課されるのです。

重加算税の詳細

個人事業主であれば、年度内1月1日から12月31日までの所得を確定申告し、法人は税金ごとに定められている規定の期間内に申告・納税を行わなければなりません。この期限を無視してしまうと、下表に挙げるような加算税が発生します。

過少申告加算税
無申告加算税
不納付加算税
申告期限内に提出している
納税額が
過少である場合

内容:
新たに納める税金に10%を
乗じた金額

ただし、期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%
期限内に確定申告を
しなかった場合

内容:
新たに納める税金に15%を乗じた金額
ただしそれが50万円を超える場合は20%
源泉所得税の納付期限を過ぎてしまった場合

内容:
納付すべき額に
10%を乗じた金額

(参考:国税庁 法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

重加算税は、上表に挙げた加算税の代わりに「加算税の中で最も重い課税割合」で課されます。

2017年度には、無申告加算税または重加算税を過去5年以内に課された上で、繰り返し加算税を課された場合には、重加算税にさらなる加重措置が取られることが決定しています。

過少申告加算税
不納付加算税
無申告加算税
5年以内に
無申告加算税または重加算税を
課されている場合
35%
40%
+10%

過少申告加算税・不納付加算税:45%
無申告加算税:50%

(参考:国税庁 加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし)

重加算税は「増差額」に課せられるため、過少申告していた場合は支払った分を差し引いた未納分の税額に、無申告の場合は全部の税額を対象に計算されます。

本来の納付税額500万円に対し、下表のように過少申告した場合、

増差額
重加算税
加算された納付税額
本来の納付税額:500万円
実際納付した税額:100万円

増差額:400万円
増差額×重加算税率

400万円×35%

140万円
増差額+重加算税

400万円+140万円

540万円

本来の納税額よりも「140万円」も多く納税しなければならないのです。

さらに、過去5年以内に無申告加算税もしくは重加算税を課されていた場合、増差額400万円に対する重加算税率は35%→45%となるため「180万円」の税額に引き上げられます。追加で40万円もの課税が発生し、総額「580万円」を追加で納税しなければならないのです。

このケースですと、当初100万円を納税しているため、総支払額は「680万円」になります。

納付せずに逃げようとした場合

追徴課税を納付しないままでいると、最悪の場合「刑事罰」を受けることになります。3パターンあるので、下表をご確認ください。

単純無申告犯
申告書不提出犯
ほ脱犯(狭義の脱税犯)
正当な理由なく,納税申告書をその提出期限までに提出しない犯罪
(例:所得税法 241条)

法定刑
1年以下の懲役または50万円以下の罰金
確定申告書,修正申告書等の書類を法律で定められた期限までに提出しないことをもって租税を免れるという犯罪
(例:所得税法238条 3〜4項)

法定刑
5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその併科
納税義務者(またはその者のために当該事務を処理する者)が偽りその他不正の行為により税を免か れた場合、またはその還付を受けることを構成要件とする犯罪
(例:所得税法238条 1・3項)

法定刑
10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその併科

重加算税が支払えない場合どうなる?

重加算税を含めた追徴課税は、基本的に「一括支払い」が原則です。すでに納付期限を過ぎてしまっているために分割支払いの救済措置が適用されません。この時点で「支払えない」となった場合は、これからご紹介する方法で強制執行まで進行します。

①督促状が届く

重加算税の納付期限を過ぎた場合、支払いを促す「督促状」が届きます。督促状が届いた翌日から5年が時効期間となり、届き続ける間は納付義務は消失しません。

②滞納処分を受ける

支払能力なしとみなされ、財産差し押さえの対象として判断されます。

③財産調査が入る

現在所有している財産目録が作成されます。資産価値があっても生活必需品は基本的に差し押さえされないとされていますが、実際には調査官のさじ加減ひとつです。

④差し押さえ予告書が入る

個人・法人関係なく、自発的な納税を促すために事前予告が行われます。「差押事前通知書」や「差押予告書」などと書かれた赤や黄の警告色の封筒で届きます。

強制執行

税金の強制執行は裁判を必要としないため、予告(催告状)が入ってから10日以内にいきなりやってきます。

しかも、強制執行を受けている時点で追徴課税は未払いであることがほとんどのため、年間7.3〜14.6%の税率で延滞税が発生するのです。

重加算税が支払えない場合の対処法

税金に逃げ得はありません。そのため、支払いの意思を示す必要があります。
財産差押される前に「猶予制度」を活用することも覚えておきましょう。

換価の猶予

換価の猶予でできるのは以下の3つです。

換価の猶予制度を活用すると、1年間の分納が許されます。ただし、制度活用には一定の条件も設定されているので確認してみてください。

次の1から5までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があります。

つまり「納税意思はあり、他の税金は納付済であるが、追徴課税を納付すると生活ができなくなる上に仕事も続けられない可能性がある」という前提条件を満たしていて「納付期限から6ヶ月以内に換価の猶予申請をしている」ということです。

さらに、税額相当の担保も必要だと書かれています。

納税の猶予

納税の猶予は、文字通り「追徴課税の納付を待ってもらえる」制度です。こちらも延滞税の全額または一部免除の対象です。1年間の分納が許され、正当な理由があれば最大2年まで分納期間が延長できます。

納税の猶予を申請する際、以下の条件を満たさなければいけません。

次の1から4までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、納税の猶予が認められる場合があります。

つまり「災害・盗難・病気や負傷・事業を正常に営めない」といった状況で「所得確保が困難」な場合に申請できるということです。

こちらの制度でも担保が必要とされています。

担保の提供について

原則として、猶予申請をする場合には相当額の担保が必要とされますが、以下の条件であれば担保不要となっています。

猶予の申請をする場合は、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。
なお、次のいずれかに該当する場合には、担保を提供する必要はありません。

3で挙げられている条件から、誰でも猶予申請ができることがわかります。

重加算税が支払えない場合は早めに税理士に相談を

重加算税課税は、事業に大きなダメージを与える出来事です。事業者が処理しきれない場合、できる限り早く税理士に相談してください。税理士がご提案できる解決方法が見つかるかもしれません。

税務署や国税庁の指示に従うばかりが最良の方法とは限りません。事業者側に残された手段を、専門家の目で判断してもらってみてください。

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まとめ

重加算税を課されてしまっても、絶対に逃げようという考えを持たないようにしましょう。最悪の場合、過料ではなく前科がついてしまいます。

追徴課税は一括支払いが原則ですが、支払えない場合には納付期限からできる限り早い段階で猶予申請をしておきましょう。多少なりとも身の振り方を考える時間はできるはずです。

しかし、1番おすすめなのは「信頼できる税務のパートナー」を作っておくことです。事業運営についてもアドバイスをしてくれる優秀な税理士との関係を深めることで、そもそも重加算税を課されるような税務申請をせずに済む状況を作っておきましょう。

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