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贈与税の申告漏れがバレる人の特徴は?ペナルティについても解説

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この記事の監修

税理士:中瀬 渉(なかせ わたる)

元国税局特調班チーフで、7年間特別調査を指揮し、計24年間税務調査に従事した経験を持つ税理士。 深い専門知識と実績を活かし、税務調査に特化したセカンドオピニオンサービスを提供しています。

贈与税の申告を期日内にしなかった場合、ペナルティが発生します。
申告漏れがバレる人は、実は意外なところから発覚してしまうことを覚えておきましょう。

この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?

本記事では「贈与税が発生した場合の申告漏れ」の際に、贈与税隠しがバレた人に降りかかる災難についてご紹介します。

贈与税の申告漏れがバレるパターン

贈与税の申告漏れは、受け取った側の些細な行動からでもバレてしまうことがあります。

まずは「バレるパターン」を知り、バレる前に申告する重要性について見つめ直してみてください。

①税務署から来る「お尋ね文書」でバレる


例えば、不動産購入の際に購入資金の調達方法などを記入させる「お尋ね文書」です。

資金調達方法は、

などが考えられ、お尋ね文書内で調達方法を確認した上で贈与税が発生しているか、正しく申告されているかをチェックしているのです。
ちなみに、お尋ね文書の他の項目でも課税対象をチェックされています。

②保険金受け取り時にバレる

保険会社は、保険金の支払いがあった場合「支払調書」を税務署に提出するため、受け取った側が隠そうとしてもすでに贈与の事実を把握されてしまうのです。

保険会社が支払調書を提出する条件を一部ご紹介します。

死亡保険金1回あたり100万円を超えた場合
満期保険金
解約返戻金
年金給付金年間20万円を超えた場合
(契約者と受取人が違う場合は全ての合計)
死亡により契約者の変更時解約返戻金が100万円以下の場合も含む

③金地金の換金時にバレる

貴金属やインゴットを受け取っただけでは、贈与がばれることはありません。
しかし、これらを業者を通じて売却した際には完全にバレてしまいます。

金地金やコインなどを売却した際、業者は「1回の取引で200万円以上を受け渡した場合」に支払調書を税務署に提出するのです。

④ネットオークションで高額落札した際にバレる

ネットオークションで高額商品をやり取りした際、気をつけなければならないのが「売り手も買い手も調査対象となる」ということです。

売り手は、落札された額面から手数料を差し引いた金額を受け取ります。
当然調査されても不思議ではありません。

しかし、のです。

⑤海外送金でバレる

意外と知られていませんが、金融機関も税務署に支払調書を提出しています。
投資などで海外送金を日常的にしている場合、もしかするとすでに調査対象としてロックオンされている可能性もあるので注意しましょう。

海外送金の場合「1度に100万円以上の金銭のやり取り」があった際に、金融機関は支払調書を提出しています。

通達されるのは以下の内容です。

⑥不動産登記の名義変更でバレる

不動産登記は法務局の管轄ですが、登記情報の変更は法務局から税務署に提供されています。
つまり、お尋ね文書を回避した場合でも、税務署には不動産登記の事実が筒抜けなのです。

⑦相続税の申告時にバレる

贈与からは少し脱線しますが、相続税の申告時がもっとも贈与税の申告漏れがばれるタイミングです。

生前に預貯金を動かしていたり、亡くなる直前に金融機関に何かの手続きをしていた場合、これらは全て税務署に把握されています。

贈与税の無申告がバレた場合のペナルティ

贈与税を正しく申告していなかった場合、あなたは正規の額よりも多くの納税額を請求されてしまいます。

無申告だった場合のペナルティについてしっかりと理解しておきましょう。

無申告加算税

贈与税の申告期限を過ぎた場合、無申告加算税が課されます。

申告期限贈与税額のうち税務調査の事前通知よりも前に自主的に申告した場合税務調査の事前通知を受けてから税務調査を受けるまでに申告した場合税務調査後に申告した場合
50万円を超える部分15%20%
令和6年以降50万円以下の部分5%10%15%
50万円を超える部分15%20%
300万円を超える部分20%30%

また、上表以外にも条件を満たした際、さらに追加で課税が発生します。

過去5年以内に同じ税目で無申告加算税
または重加算税を課されたことがある場合
税率10%加算
前年度及び前々年度の国税に無申告加算税・重加算税が課され
さらに同じ税目で無申告があった場合
当年度分の税率が10%加算
本来納めるべき税額が300万円を超えることに納税者の責めに帰すべき事由がない場合「50万円を超える部分」の税率が適用

過少申告課税

期日内に贈与税の申告はしたものの、申告額が不足している場合に発生するのが「過少申告課税」です。

上記の計算方法で算定され、過少申告課税の税率は下表にて定められています。

申告期限追加で納める贈与税額のうち税務調査の事前通知より前に
自主的に申告した場合
税務調査の事前通知を受けてから
税務調査を受けるまでに申告した場合
税務調査を受けてから申告した場合
平成29年以降期限内に申告した額と50万円の
いずれか多い方以下の部分
なし5%10%
期限内に申告した額と50万円の
いずれか多い方を超える部分
10%15%

できる限り早い段階で修正することで加算される課税額が小さく抑えられます。
間違ってしまった場合は、早めに対処しましょう。

重加算税

意図的に申告しなかった場合、悪質だと判断されて「重加算税」が発生します。

無申告の場合40%
過少申告の場合35%

さらに条件を満たしている場合は下記の追加課税も発生します。

申告期限が平成29年以降の場合過去5年以内に同じ税目で無申告加算税または重加算税を課されたことがある場合は、税率10%加算
申告期限が令和6年以降の場合前年度及び前々年度の国税に無申告加算税・重加算税が課され、さらに同じ税目で無申告があった場合は、当年度分の税率10%加算

延滞税

ここまでにご紹介した追徴課税を一定期間内に対応しなかった場合、利息的に「延滞税」が発生します。

他の追徴課税が発生した上でさらに追加で発生する課税なので、素早い対応が必要です。

贈与税には時効制度がある

贈与税には、国が定める「時効制度」が存在します。

「原則6年」が時効期限ですが、贈与を故意に隠して時効を待つような「偽りその他不正行為」がある場合には、時効期間が「7年」となるのです。

贈与とは、与える側の贈与意思だけではなく、受け取る側も「贈与を受諾」しなければなりません。
もし正しく申告しなかった場合、贈与された財産は「親の持ち物」として扱われます。


こうなると、贈与ではなく相続財産とみなされ、課税は「相続税」として判断されます。

税金を抑えて贈与をする方法

贈与税をできるだけ少なく、できる限り発生させない方法もいくつかあり、財産が多い方ほど上手に節税を考えています。

節税方法を知って、これからの贈与に備えましょう。

①110万円以下の贈与を行う

贈与税には「基礎控除」という制度があります。

数年かければ財産を振り分けることも可能です。

②結婚・子育て資金の贈与を行う

結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度があるので、こちらを上手く活用する方もいます。
結婚や子育てのためであれば、1,000万円までが非課税で一括贈与できます。

③教育資金の一括贈与の非課税制度を使う

子供の教育のための贈与であれば、条件を満たした範囲で非課税贈与できます。

学校に支払う資金はもちろん、学習塾や習い事、通学定期代にも適用されます。

④住宅取得等資金の贈与の非課税制度

現段階では2023年12月31日までの適用ですが、住宅取得等資金の贈与にも非課税制度があります。

適用年齢18歳〜
住宅の種類と限度額省エネ住宅1,000万円
その他の住宅500万円

⑤夫婦間の居住用不動産の贈与による配偶者控除

夫婦間であれば、ぜひ採用したい節税方法があります。

婚姻期間が20年以上の夫婦間

この条件を満たしていれば、居住用不動産または居住用不動産を購入するための贈与があった場合、

両方が適用でき、合計2,110万円まで贈与税がかかりません。
特徴から「おしどり贈与」とも呼ばれています。

贈与税でお困りの方は税理士に相談しよう

贈与税は、税務署が目を光らせているためにほとんどの場合隠し通すことはできません。
もし贈与を考えているのであれば、行動する前に税理士に相談することをおすすめします。
贈与税を正しく納めるだけでなく、節税のためのアドバイスもしてもらえます。

勝手な解釈で行なった贈与が、もしかすると後から課税されることも少なくありません。

まとめ

贈与を正しく進めれば、財産を少しでも多く家族に残すことができます。
しかし、ルールを知らずに押し進めてしまうと、受け取った家族に課税が発生してしまったり、そもそも贈与として扱われないケースも出てくるのです。

非課税で贈与できるものも多くあるため、正しい知識を持って贈与を行なってください。

贈与税隠しがバレた人には、より厳しく税務署の目が向けられてしまうため、安全に対応するように心がけましょう。

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