
内装工事の耐用年数はどう決まる?減価償却の計算方法と会計処理の注意点
この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?
- 「内装工事の耐用年数ってどう決まるの?」
- 「内装工事は減価償却できる?」
内装工事をしたものの、耐用年数や減価償却の計算方法についてお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の内容を解説していきます。
- 内装工事費用は減価償却できるのか
- 【具体例】減価償却資産の耐用年数表
- 内装工事の減価償却の計算方法
内装に関する会計処理を正しく済ませたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
内装工事費用は減価償却できる?
結論から言いますと、内装工事にかかった費用は、耐用年数に応じて減価償却することが可能です。
これにより、内装工事費用を少しずつ経費として計上することができるため、毎年の節税効果が期待できます。
ちなみに減価償却とは、資産(建物、設備など)の取得費用を、その資産の耐用年数にわたって少しずつ費用として計上する方法のこと。
これらを踏まえ、「内装工事費用」と「耐用年数」をそれぞれ把握することで、大きな節税効果が期待できます。
耐用年数 | 特定の固定資産が有用とされる期間 |
減価償却 | 固定資産の価値の減少に伴い、取得費を少しずつ費用として計上する方法 |
内装工事の耐用年数はどう決まる?
耐用年数とは、その機能や性能を維持できるとされている期間を意味します。
それでは、内装の耐用年数はどのように決まるのでしょうか?
結論として、国によって定められている「法的耐用年数」を参考にすればOKです。
例を挙げると、
- 接客業用の家具…5年
- 金属づくりの建物(飲食店用)…19~31年
このように耐用年数が決められています。
よって正しく節税したい場合、減価償却できる内装や家具を把握し、それぞれの耐用年数を確認する必要があるでしょう。
なお、メーカーが定めている「耐久年数」は税務処理と関係がないので、注意してください。
【具体例】減価償却資産の耐用年数表表
それでは、主な減価償却資産の耐用年数について、具体例を確認していきましょう。
以下は、勘定科目「建物」に関する法的耐用年数表です。
構造 | 用途 | 耐用年数 |
木造・合成樹脂造 | 事務所 | 24年 |
店舗・住宅 | 22年 | |
飲食店 | 20年 | |
旅館・ホテル・病院・車庫 | 17年 | |
公衆浴場 | 12年 | |
工場・倉庫(一般) | 15年 | |
木骨モルタル造 | 事務所 | 22年 |
店舗・住宅 | 20年 | |
飲食店 | 19年 | |
旅館・ホテル・病院・車庫 | 15年 | |
公衆浴場 | 11年 | |
工場・倉庫(一般) | 14年 | |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 事務所 | 50年 |
住宅 | 47年 | |
飲食店(木造内装部分の面積が30%を超える) | 34年 | |
飲食店(その他) | 41年 | |
旅館・ホテル(木造内装部分の面積が30%を超える) | 31年 | |
旅館・ホテル(その他) | 39年 | |
店舗・病院 | 39年 | |
車庫 | 38年 | |
公衆浴場 | 31年 | |
工場・倉庫(一般) | 38年 | |
れんが造・石造・ブロック造 | 事務所 | 41年 |
店舗・住宅・飲食店 | 38年 | |
旅館・ホテル・病院 | 36年 | |
車庫 | 34年 | |
公衆浴場 | 30年 | |
工場・倉庫(一般) | 34年 | |
金属造(骨格材の肉厚別) | 事務所(4mm超) | 38年 |
事務所(3mm超4mm以下) | 30年 | |
事務所(3mm以下) | 22年 | |
店舗・住宅(4mm超) | 34年 | |
店舗・住宅(3mm超4mm以下) | 27年 | |
店舗・住宅(3mm以下) | 19年 | |
飲食店・車庫(4mm超) | 31年 | |
飲食店・車庫(3mm超4mm以下) | 25年 | |
飲食店・車庫(3mm以下) | 19年 | |
旅館・ホテル・病院(4mm超) | 29年 | |
旅館・ホテル・病院(3mm超4mm以下) | 24年 | |
旅館・ホテル・病院(3mm以下) | 17年 | |
公衆浴場(4mm超) | 27年 | |
公衆浴場(3mm超4mm以下) | 19年 | |
公衆浴場(3mm以下) | 15年 | |
工場・倉庫(4mm超) | 31年 | |
工場・倉庫(3mm超4mm以下) | 24年 | |
工場・倉庫(3mm以下) | 17年 |
このように、素材や用途によって細かく法的耐用年数が定められています。
ご自身の取得した物件や内装とこれらを照らし合わせることで、正確な耐用年数が把握できるはずです。
また、建物附属設備の耐用年数を構造・用途別に示したものが以下です。
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 |
アーケード・日よけ設備 | 主として金属製のもの | 15年 |
その他のもの | 8年 | |
店用簡易装備 | 3年 | |
電気設備(照明設備を含む) | 蓄電池電源設備 | 6年 |
その他のもの | 15年 | |
給排水・衛生設備、ガス設備 | 15年 |
これらは勘定科目「建物付属設備」にて処理します。
正確な耐用年数を把握し、法的・税務的に正しい減価償却に役立ててみてください。
内装工事の減価償却の計算方法
ここからは、内装工事費用の減価償却の計算方法についてご紹介します。
以下の流れで、減価償却費を算出してみてください。
項目 | 概要 |
資産の取得価額を計算する | 取得価額=「内装工事費用、機器・設備の取得費用の合計金額」を計算する |
資産の残存価額を計算する | 対象となる固定資産の、耐用年数が経過した後に残る資産価値を計算する |
資産の償却期間を決定する | 残りの耐用年数を決定する |
その年の償却費を計算する | 「(取得価額-残存価額)÷耐用年数」で年次償却費を計算する |
なお、減価償却は「定額法」と「定率法」がありますが、内装工事費用に関しては、「定額法」で行わなくてはいけません。
定額法 | 毎年、取得価額から残存価額を引いたものを耐用年数で割った一定額を償却する方法。 安定した減価償却費を計上するため、長期的な資産に向いている |
定率法 | 毎年、帳簿価額に一定の償却率を掛けて減価償却費を計上する方法。 初年度の償却費が多く、年々減少するため、初期費用を多く計上したい場合に向いている |
2つの計算方法の違いに関しても注意してください。
内装工事の減価償却の計算例
内装工事費用を1,000,000円、耐用年数を10年、残存価額を0円と仮定します。
先ほどの計算式「(取得価額-残存価額)÷耐用年数」に当てはめたものが、以下です。
この例の場合、10万円が減価償却費となります。
内装工事の耐用年数から減価償却する際の注意点
最後に、内装工事費用を減価償却する際の注意点を2つ紹介します。
- 自社所有建物と賃貸物件とで耐用年数が異なる
- 取得時の価格を明確にする
税務上で間違えがないよう、注意してください。
①自社所有建物と賃貸物件とで耐用年数が異なる
物件の用途によって耐用年数が異なりますが、実は「自社所有」か「賃貸」かによっても年数が異なります。
国税庁によると、賃貸物件の内装工事に関する耐用年数は、以下の通り。
「合理的」とは言われているものの、建物の耐用年数が長期で残っており、なおかつ契約更新に支障がなければ、「10~15年」に設定することが一般的です。
いずれにせよ、自社所有か賃貸物件かによっても耐用年数が異なるので、計算時は注意してください。
②取得時の価格を明確にする
減価償却費を計算する際は、取得時の価格を正確に計算しましょう。
- 内装工事費用
- 付属設備
- 家具や各種設備
これらの費用だけでなく、内装工事にかかった間接的な費用も合わせて計算できる場合があります。
この費用を間違えていると、正しく減価償却費が算出できないため、注意してください。
会計処理で不安があるなら税理士に相談を
ここまで内装工事費用を減価償却する際のポイントや、注意点について紹介しました。
しかし、正直税務処理は難しく、正しく計算できるか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そういった方は、税の専門家である「税理士」に相談することを勧めます。
正しく減価償却することで節税を実現しつつ、間違った税務処理による「税務調査」などのトラブルも未然に防ぐことが可能です。
税理士費用は決してリーズナブルではありませんが、それに見合った高いリターンを得られるはずですので、ぜひ税理士への相談をご検討くださいね。
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まとめ
今回は内装工事の耐用年数を踏まえた、減価償却費の計算方法について紹介しました。
減価償却費は、以下で計算することが可能です。
項目 | 概要 |
資産の取得価額を計算する | 取得価額=「内装工事費用、機器・設備の取得費用の合計金額」を計算する |
資産の残存価額を計算する | 対象となる固定資産の、耐用年数が経過した後に残る資産価値を計算する |
資産の償却期間を決定する | 残りの耐用年数を決定する |
その年の償却費を計算する | 「(取得価額-残存価額)÷耐用年数」で年次償却費を計算する |
しかし、取得価額や残存価額などを正確に出すのが難しく、間違った計算をしてしまう方も決して少なくはありません。
正しく税務処理を行い、税務調査などが入るリスクを抑えるためにも、ぜひ専門家への相談を検討してみてくださいね。