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税務調査で考えられる最悪のケースは!?免れるための対処法を紹介

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この記事の監修

税理士:中瀬 渉(なかせ わたる)

元国税局特調班チーフで、7年間特別調査を指揮し、計24年間税務調査に従事した経験を持つ税理士。 深い専門知識と実績を活かし、税務調査に特化したセカンドオピニオンサービスを提供しています。

どんな企業や個人であっても、税務調査の対象になることはあります。また、事業者側の対応を間違えてしまうと最悪な状況を生んでしまうこともあります。

この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?

結論から言いますと、対応を間違えさえしなければ最悪な状況は生まれません。税務調査官は敵として訪れるわけではなく、仕事として訪れているだけだということを忘れないでください。

本記事では、以下の内容を解説していきます。

税務調査で失敗したくないという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

税務調査で想定される最悪のケース

税務調査を受けて、何を「最悪」と判断するでしょうか?

税務調査は最悪、何年分さかのぼる?

税務調査で遡れるのは、最悪の場合でも過去10年までです。細かなミスが多い場合や重大なミスが発覚した場合は、過去5〜7年を遡ることもありますが、一般的には過去3年分の調査で完了します。

ただし、税務調査の事前通知を受けるような場合は、過去3年分の調査が一般的です。

税務調査の結果、最悪いくら支払う?

過去の税務申告に間違いや不正が多いと、追加徴税や加算税を課されることになります。この追徴課税や加算税に上限はありませんが、

また、重加算税とはならなくても、過少申告加算税や無申告加算税などの課税割合も付随するため、どの罰則が適用されてくるかによっても課税割合は変化します。国税庁が発表しているデータでは、2020年に富裕層への追徴課税が259億円に上り、過去最高を記録したと残されています。

調査官との関係性が悪くなってしまうと調査期間に影響する?

税務調査官は、事前通知をして調査に入る企業に対して悪意を持って臨んでいるわけではありません。事業者側で勝手なイメージから調査官を敵対視してしまうと、関係性をうまく構築できず、調査官からの印象も悪くなるという悪循環に陥るでしょう。

調査官も感情を持った人間であるため、心象の悪い調査対象に温情をかけたいとは思えないのも道理です。

税務調査が長引くということは、事業を営む上で好ましい状態とはいえません。特に、頻繁に外から業者が出入りするような会社の場合は、どこから税務調査が長引いている情報が漏れるかわかりません。

一般的に、大きな問題がない場合は税務調査が1~3か月で終わるため、

税務調査後にするべき手続き・対応

税務調査が終わった後は、問題がなければそこで終了です。しかし、もし「問題あり」となった場合、税務署から修正申告や期限後申告を行うように指導されます。なお、問題とされた事柄に不満があった場合、事業者は不服を申し立てる権利を持っています。

①税務署の指示に従い修正申告を行う

税務調査が入った後の修正申告となるため、この時点で「問題あり」とされている場合は追徴課税が発生するものと考えて良いでしょう。

修正申告は、 当初の確定申告書の問題を修正した修正申告書を提出し、追徴税額を納付することで完了します。

②追加で納税を行う

当初申告の納税額が不足している場合、不足分を納めなければなりません。この不足分を専門的な用語で「追徴本税額」といいます。過少申告の場合は不足分、無申告の場合は全額が追徴本税額として扱われるのです。

③延滞税、加算税の支払いを行う

前項で挙げた「追徴本税額」に対する利息相当の「延滞税」と、罰則である「加算税」を合わせたものが追徴課税の合計です。
加算税と延滞税の納付書は、後日、税務署から送付されますが、追徴本税額の納付を行わないと利息相当の延滞税がずっと課税されることとなりますので

④税務署の指示に不満があれば不服申し立て

不当な処分に対しては、事業者は「不服申し立て」を行う権利を持っています。原則として、処分決定の通知を受け取った翌日から3ヶ月以内に申し立てを起こす必要がありますが、税務署長に対し「再調査の請求」ができるのです。

再調査の請求を行ってもなお、不服があるときは、再調査決定の通知を受けた日の翌日から1ヶ月以内に国税不服審判所国税庁への不服申し立てを行うことができます。もしくは、直接、国税不服審判長に対し審査請求を出すという方法もあります。

この不服申し立てには段階があります。

段階的に不服申し立てを行うこともできますが、税務署長への申し立てに3ヶ月以内の期間があり、申し立て以降3ヶ月以内に決定通知がない場合は国税不服審判所長への申し立てができるという、最長で6ヶ月もの時間がかかるため、税務署長への申し立てを飛ばし、国税不服審判所長への直接の審査請求が許されています。

なお、審査請求から3ヶ月以内に決定通知がなかった、もしくは決定にまだ不服だという場合、裁判所へ訴訟を起こすという流れになるのです。

税務調査をスムーズに乗り切るためにやってはいけないこと

問題となる部分がなければ、税務調査はスムーズに終わります。しかし、調査開始後に事業者が不穏な動きを見せていれば、調査官からは疑いの目が向けられるのも仕方がありません。

①税務調査官に敵対的・反抗的な態度をとる

税務調査官は決して事業者の敵ではありません。税務申告が正しくできている事業者の証明をしてくれる存在であることを忘れないでください。

しかし、不正な税務申告をしている事業者の場合「脱税を明らかにする存在だ」という認識になるのでしょう。その場合、どうしても敵対視してしまう傾向にあります。

自身の事業形態や税務申告に後ろめたい部分がないのであれば、事業者は堂々としていましょう。決して威圧的になる必要はありません。

②個人の財産を隠そうとする

税務調査官は、個人の財産を掘り返しにきているわけではありません。そのため、個人財産を隠しても全く意味がないのです。

事業実態が適正で、税務申告に間違いや不正がないかをチェックしにきているので、下手に個人財産を隠そうとすれば、着服や横領などを疑われる可能性もあります。

税務調査前に大きな買い物をした場合も、事業で必要なものであれば隠す必要はありません。利用目的と事業の因果関係を調査官に証明すれば、それ以上掘り返されることもないのです。

③事業者として把握していないことに対し憶測で受け答えする

「事業者が把握できていない部分」への質問に対し憶測で回答すると、後で大きな問題に発展する可能性が出てきます。

各部署の大まかな業務を把握しているからといって、実際にどのような資金の流れがあったかまでは分かりません。

など、業務の中で資金が必要となった場合、深い部分に関しては現場の裁量で判断されることが多いものです。規模の大きい事業者は、各部署から上がってきた請求に対し採決するだけという場合が多いでしょう。

この曖昧な認識しか持っていない中で、調査官からの質問に憶測で回答してしまうと、関連した別の質問がきたときに辻褄が合わなくなってしまうことがあるのです。

分からないことは後日、事実確認をした上で回答するようにしましょう。

④嘘をつく

前項の憶測での受け答えは「事業内で事業者の理解の範疇にないものへの受け答え」についての注意点ですが、ここで挙げる嘘とは「事業者が理解している事柄」に対するものです。

その場凌ぎで取り繕って、何事もなく税務調査が終われば良いかもしれませんが、もしその嘘がきっかけで調査官に不信感を抱かれた場合、これまでに構築してきた関係が一気に破綻してしまうのです。

その結果、重箱の隅をつつくような細かい指摘が入るような状況になってしまうのです。

税務調査で最悪を免れるためにしておくべき準備

税務調査で最悪な状態と言える状況は「調査範囲が過去7年になる」ことと「多額の追徴課税が発生する」ことでしょう。

これらを免れるために、事業者がしておくべき準備を3つご紹介します。

①毎年の税務申告を正しく完了する

税務申告さえ正しく行われていれば、税務調査が入った場合でも堂々としていられます。調査官が不審に感じるような点がなければ、必要以上に掘り下げて調査を進めることはあまりありません。

正しく税務申告できているか心配な場合は、税務の専門家である税理士を頼るようにしましょう。

②意図的な不正を行わない

税務調査官は日々、不正と戦っていることで、情報の中にある異常に敏感に反応できます。時間が経過した資料の中からでも不正を見つける目を持っているのです。

多少旨みがある話でも、自ら不正に手を染めるような事業運営をしないことが重要です。

③税理士にしっかり相談しておく

税理士は税務関係が本業であるスペシャリストです。事業が正しく営まれるように、その時に必要なアドバイスや税務処理を的確にサポートしてくれます。

正しい税務申告や事業運営のアドバイザーとしても、税理士との付き合いを大切にしましょう。

まとめ

税務調査をスムーズに乗り越えたければ、日頃から不正のない事業運営と、正しい税務申告を心がけましょう。税務調査が入った場合でも、後ろめたいところがなければ何も心配ありません。

事業運営で手一杯になってしまい、税務申告が完璧にこなせるか分からないという不安が少しでもあるなら、そこは税理士に任せるという判断も事業者に必要な素養です。信頼できる税理士を見つけて、正しい事業運営を心がけてください。

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