税務調査の確率・頻度はどのくらい?対象にならないためのポイント
この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?
- 「もしかしたら税務調査に選ばれているのではないだろうか」
- 「税金対策のしすぎで目立ってはいないだろうか」
結論から言いますと、どんな事業者であっても税務調査の対象にされる確率はゼロではありません。
ただし、税務調査に選ばれづらくなる方法はあります。
本記事では、以下の内容を解説していきます。
- 税務調査が実施されている頻度・確率
- 税務調査の対象になりやすい事業者の特徴
- 税務調査の対象にならないためのポイント
税務調査を回避する対策をしたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
税務調査が実施されている頻度・確率
毎年税務調査は行われていますが、3年周期で税務調査が入る会社もあれば、10年以上税務調査に選ばれない会社もあります。
では、税務調査の対象にされる確率について解説していきましょう。
法人が税務調査される確率
2023年度、国税庁が発表している資料「令和4事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要によると、法人税の申告件数は「およそ313万件」あります。
また、「令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、税務調査が入ったのは「およそ6万件」です。
この数字を比較すると、税務調査の対象に選ばれる確率は「2%弱」という低い確率であることがわかります。
実際、法人として会社を立ち上げている場合、すでに顧問税理士がついているケースも多いため、税務申告されていれば税務調査が必要ない精度で申告内容が精査されていると考えることもできるのです。
ただし、顧問契約の更新は忘れないようにしましょう。
個人事業主が税務調査される確率
2023年度の個人事業主による確定申告件数は、国税庁が発表した資料「令和4年分所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」では「およそ379万人」とのことです。
また、「令和4事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」によると、税務調査が行われたのは「およそ3万6千件」ということで、個人事業主に税務調査が入る確率は「1%弱」ほどしかないことがわかります。
法人以上に低い確率で、真っ当に確定申告していればほぼ税務調査に選ばれる可能性はないと判断できるレベルです。
ただし、コロナ禍が明けてからは調査件数は増加傾向にあり、絶対に選ばれないとは言い切れないので、安心し切るのは禁物です。
税務調査の対象になりやすい事業者の特徴
税務調査に選ばれてしまう事業者には、いくつかの共通する特徴が存在します。
これからご紹介する内容を、ご自身で振り返って確認してみてください。
税務調査されやすい会社の特徴
税務調査されやすい会社の特徴は以下の通りです。
- 事業規模が大きい
- 売上、仕入、経費、所得の変動が大きい
- 同業他社に不正が多い
- 過去に税務調査を受けている
まず、事業規模が大きいと、相応に売上や利益も大きくなるため、税務署は常に不正やミスがないかチェックしています。
顧問税理士がついている場合でもミスが発生する可能性はあるので、安心しきらずに二重チェックできる体制は整えておきましょう。
次に、売上、仕入、経費、所得の変動が大きいということは、売上利益率、営業利益率や所得率が大きく変動するため、KSKシステム(国税総合管理システム)のチェックにかかる可能性が強くなります。
そのため、チェックに何度もかかっている場合は、申告が正しいかどうかの確認が必要と判断されるのです。
さらに、同業他社に不正が多い場合は、税務署側で「不正しやすい事業実態がある」と判断されてしまうため、適切に税務申告している事業者であったとしても同類として扱われてしまうのです。
正しい申告をしていても、同業種で不正が多い場合は注意しましょう。
そして、自身の会社で過去に税務調査を受けている場合、5年以内に再度税務調査が入るケースが多いです。
これは、税務調査以降に同じミスや不正を行っていないか確認するための調査なので、最初の税務調査よりも厳しい目を向けられます。
前回と重ねて不正を行っていた場合は罰則である「重加算税」がついて、より高い税率が適用されてしまいます。
税務調査されやすい個人事業主の特徴
個人事業主で税務調査されるという状況は、よほどの不正やミスを繰り返していると理解しましょう。
先述の通り、およそ1%弱の確率でしか調査対象に選ばれないため、税務署から見て「目に余る」申告状況でなければ税務調査には選ばれません。
それでも、いくつかは税務調査されやすい個人事業主の特徴があるので、ご自身の運営状況と比較してみてください。
- 無申告である
- 売上が大きく動いた
- 事業者が直接税務申告している
まず、無申告は税務署に把握されています。
なぜなら、税務署の権利で金融機関の取引情報を確認できたり、取引先が売上、仕入、経費等の一般取引資料を提出していたりすると、事業の関係者から情報が把握されるからです。
次に、売上が大きく動くということは、KSKシステムにかかりやすくなるため、税務署の目に止まりやすくなるのです。
そして、事業者自ら税務申告している場合、申告ミスが発生しやすいと判断されます。
しかし、スポットや顧問契約で税理士に依頼している場合は「税理士なら大丈夫だろう」といった信頼を獲得できますので、不安な方は税理士に相談するのも手です。
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴とは?今からできる対策を解説
税務調査の対象になっても慌てないで済むためのポイント
税務調査の対象になっても慌てないでよくなるには、最低限これから紹介するポイントをしっかり押さえるようにしましょう。
難しいことではなく、誰にでもできるポイントを3つに絞ってご紹介します。
①領収書等をしっかり保存する
領収書は、申告時の添付資料としても役立つ重要な根拠です。
もし領収書が存在しない経費を計上した場合、経費の架空を疑われる可能性もあります。
買い物の際は、できるだけ領収書をもらう習慣をつけることをおすすめします。
そして、手元の領収書は、必ず日毎にまとめて保存するようにしましょう。
あとでまとめ直すようなことをすると、日付を合わせるのも面倒ですし、最悪の場合なくなってしまうこともあります。
特に、領収書の量が多い場合は、後回しにすると大変です。
②できる限り毎日帳簿をつける習慣をつける
帳簿の作成は、できることなら毎日記帳するのが望ましいです。
週ごと、半月ごと、月末に片付けるというような方法をとっている場合もありますが、こまめに帳簿をつけておくことで計上漏れを防ぐことにもつながります。
また、経理係の負担も、適当に集められた領収書を月末にまとめて渡されるよりも、日毎に時系列がわかる状態で提出された方が軽く済みます。
自分で帳簿をつけている場合も「何のための領収書」だったかを、忘れないうちに帳簿をつける習慣を持つと、経費の根拠を細かく記載できるようになります。
税務署が申告内容をチェックした時にも納得されやすくなるでしょう。
③税理士に相談する
どれだけ正しく税務申告をしていたとしても、税理士の手が入っていないものは信憑性が薄くなるため、税務調査の対象になりやすいです。
全く同じ申告をした場合でも、事業者自らのものより、税理士が介入している申告の方が信頼されます。
それほどまでに、税理士は「税務署からの信頼獲得」に重要な存在なのです。
ちょっとした事業相談ができるサービスもあるので、売上が好調で新規事業にまで手を広げようと考えている場合は、税理士との付き合いを持っておくと良いでしょう。
もしくは、事業不振で今後の身の振り方を考えているという場合でも、相談できる税理士がいれば何か可能性が見つかるかもしれません。
税務調査のリスクを減らしながら、良き相談相手が手に入るという点が、税理士を使うメリットです。
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まとめ
税務調査される確率は、法人・個人ともに決して高くはありません。
それでも、確実に毎年調査されている事業者がいることは間違いないため、調査対象にされる確率を下げる対策はとっておくべきでしょう。
もし、税務調査の対象にされたことがあるのであれば、一度税理士に税務全般を任せて、税務署からの信頼を少しでも回復するように努めるのも重要です。
税務申告の根拠を一覧にして税務署に提出してくれるので、改善に努めていると評価してもらえるでしょう。
これまで税務調査にあっていない場合でも、次に選ばれるのはあなたかもしれません。
その確率を下げてくれる存在、それが税理士です。
もし、今後も税務調査の心配をせずに事業を運営していきたいなら、信頼できる税理士を味方につけておきましょう。
TRUSTマーケットがそのお手伝いをいたします。