税務調査は何月に行われる?何日で終了する?調査期間について徹底解説
法人税の納付が完了すると、心配になるのが「税務調査の対象に選ばれないか」という問題です。
この記事をご覧の方は、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか?
- 「税務調査の事前通知がきた」
- 「実地調査は何日かかるのか」
結論から言いますと、事前通知を受け取ったら「できるだけ早く」税理士に相談しましょう。税務の専門家が適切に対処してくれるでしょう。
本記事では、以下の内容を解説していきます。
- 税務調査は何月に行われる?調査が入りやすい時期
- 税務調査の調査期間・日数
- 税務調査を短い期間で終わらせるためのポイント
卒なく税務調査を乗り切りたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
税務調査は何月に行われる?調査が入りやすい時期
日本の会社・法人の成り立ちのおかげで、税務調査が行われやすい月はある程度予測を立てられます。
ここに関係する重要なポイントが「決算」です。
日本の多くの会社が「3月」を決算月に設定しており、それに応じて税務調査が入りやすい時期が存在します。
では、上半期(1〜6月)、下半期(7〜12月)に分けて解説しましょう。
上半期(1〜6月)の税務調査の様子
上半期に税務調査が入るのは「決算月を1〜6月に設定している法人」です。
つまり、下半期に決算を迎える法人が対象にされています。
しかし、法人は決算月に税務申告をしますが、個人の場合「2月16日〜3月15日」が確定申告の期限であり、この時期は税務署の繁忙期とも言えるので、上半期に税務調査をするのは現実的にキビしいことがわかります。
下半期(7〜12月)の税務調査の様子
下半期は個人の確定申告も終わっており、税務署の手が落ち着いています。
また、3月を決算月にしている会社も多く、申告内容の精査も終わる時期です。
つまり、下半期こそ「税務調査に最適な時期」と言えるでしょう。
中でも、税務調査のピークは「8月〜11月中旬」のお盆明けから年度末に向けた期間と言われています。
税務調査の調査期間・日数
税務調査の調査期間・日数は「申告資料のボリューム」によって変わってきます。
大量の資料をチェックする必要があれば、相応に日数が必要です。
反対に、年度ごとの資料数が少ない場合には早く終わるというわけです。
では、個人事業主と法人で分けて考えてみましょう。両者の税務調査はどれくらいの期間を要するのでしょうか。
個人事業主の調査期間
個人事業主の場合、税務調査は「1ヶ月〜2ヶ月」の調査期間を必要とします。
税務調査初日、半日から1日かけて調査官が事業者に対し税務調査についての説明を行います。
その後、調査範囲の資料を徹底的にチェックし、1ヶ月〜2ヶ月後に調査完了です。
法人の調査期間
法人の場合、税務調査には「2ヶ月〜3ヶ月」かかります。
事業規模が大きく、申告資料も膨大になりがちなので、個人事業主よりも長い調査時間が必要です。
それでも、調査官は調査日数が「3ヶ月」を超えないように作業を進めます。
その理由は「3ヶ月を超えた場合、税務署幹部に長期仕掛事案として報告しなければならない」ためです。
問題があった場合の調査期間
調査中に問題があった場合は、疑問点が解決できるまで調査が延長されます。
申告内容の確認は、事業者の協力がないと進みません。
しかし、非協力的な事業者の場合、調査官は思うように作業を進められないのです。
また、反面調査を行わなければならない相手が多いほど時間がかかってしまいます。
そして、無申告の税務調査は過去5年分の税務資料を探し出すところから始まり、一から集計する必要がある場合もあるため、税務調査期間が長くなる傾向があります。
税務調査の結果が出るまでの期間
実際に税務調査がきたら、できるだけ早く調査が終わるように手助けする姿勢を持ちましょう。
事務手続きなどに問題がない場合は、調査期間が数日という場合もあります。
全てはあなたの対応次第なのです。
では、税務調査にはどれくらいの時間が必要かを考えてみましょう。
基本的には3ヶ月以内
税務調査は「原則3ヶ月」で終わります。
先述した通り、3ヶ月を超える調査を行なってしまうと税務署幹部に報告しなければならないからです。
調査官も手間が増えることは避けたいので、3ヶ月以内に完了する努力をしています。
3ヶ月以上の期間を要するケース
どれだけ調査官が必死になっても、3ヶ月以内に調査が終わらない案件は出てきます。
最近の問題では「コロナ禍」により調査が順調に進められなかったという「社会情勢的問題」がありました。
また、そのような問題以外にも、下表に挙げた理由でも3ヶ月以上の調査期間を要します。
納税者の非協力的対応 | ・調査官から提示を求められた資料を適切に提示しない ・質問に対する回答に数日かける ・調査期間に外出して質問をさせない |
調査内容が多い | ・年度ごとの資料が整理されていない ・そもそも資料の量が多い ・反面調査先が多く調査が進まない |
無申告 | ・税務資料が存在しない ・現金取引のみで対象者からの事業実態が拾えない ・取引先も無申告事業者 |
さまざまな要因から、3ヶ月以内に調査が終わらないことはあるのです。
税務調査を短い期間で終わらせるためのポイント
税務調査は「調査される側の姿勢」によって早く終わらせることができます。
もし税務調査の事前通知を受けているのであれば、これからご紹介する内容に注意しながら対応してみてください。
①税務調査官に逆らわない
税務調査官が求めたことに対し、事業者が適切に対応することで、調査官の仕事が早く終わっていきます。
資料の提示を求めて、すぐに必要な資料が手元に届けば、調査官は流れを止めずに作業ができるのです。
また、何を見られているのか気になって声をかけるのも、調査の進みを悪くします。
集中して作業している調査官の手を止めさせるのはやめましょう。
②正しい回答を心がける
税務調査官からの質問に対し、曖昧な回答をするのはよくありません。
仕事中に突然質問されるので、その場の状況で対応できないという場合もあります。
そんな時はすぐに回答せずに、落ち着いてから回答する旨を伝えても問題ありません。
万が一、ここで適当な回答をしてしまうと、それが決め手となって追徴課税を課される可能性もあるのです。
調査官は急いで回答を求めているのではなく、正しい回答を求めています。
後から回答を訂正することになると、それまでに導いてきた調査結果を再考しなければならなくなるかもしれません。
必ず「正しい回答」ができるように心がけてください。
③税理士に相談する
税務調査を短期間で乗り切りたいのであれば、早い段階で税理士に相談しましょう。
申告内容に問題がなければ、最短期間で調査を完了することもできます。
もし顧問契約を結んでいたとすると、税務署と税理士のやり取りだけで調査が完了することさえあるのです。
その際、会社や事業所に税務調査官がやってくることもありません。事前通知も顧問税理士宛に届き、事業者の知らない間に税務調査が終わってしまうのです。
仮に会社で税務調査が行われたとしても、ほとんどの対応を税理士がすすめてくれます。
実務に関係する質問に対してだけ、事業者側で対応するだけで良いのです。
問題なく税務調査を乗り切りたければ、すぐにでも税理士の力を借りてください。
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まとめ
事業者であれば、税務調査の対象に選ばれる可能性は誰にでもあります。
問題は、この税務調査をどのように乗り切るかです。
短期間で終わらせたいと考えるのであれば、決して調査官に対し反発するようなことはないようにしましょう。
税務調査官は、脱税を見つけにきているわけではありません。
これまでの税務申告が正しくできているかを確認しにきているだけなのです。
敵対視せず、求められたことに真摯に対応することが、税務調査を乗り切る秘訣です。
その上で、税務調査が来ても慌てずに済むのが「税理士」の存在でしょう。
税務申告の正当性を証明してくれる最高のパートナーです。
他にも税理士が提供してくれるサービスは、事業者の悩みを解決する道標になってくれるでしょう。
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